京都・裏寺 メシと酒「百練」

第140回 ピエール・バルー編

百練はフランスです。

愛する気持や恋の行方、秋の気配のダンディー路線を目指して九月の聞いて語る祭をお送りしていますがなかなか思うようには行きません。先週の山下達郎祭では吹けば飛ぶような駒が吹き荒れていました。そしていよいよ今宵はセンスのかたまりのようなピエール・バルーの登場です。

熱燗を飲んでフランス語でボサノヴァを歌うことは出来ないけれど、レコードに合わせてその気になってズブズブと呟きながらカウンターのグラスのあとを見つめながらサラヴァーと恥ずかしそうに声を出せばいいのでしょう。所詮あんまりカッコよくはなれないけれど飾り気のない居酒屋もしくは鍋屋のどこかで空気のように飲んでいられたらたぶんそれは素敵なことでしょう。

映画「男と女」がどんなんだったかもう忘れてしまったけれどなんだかフランスでした。決して百練にフランスの風は吹かないけれど、チョット食い意地の張ったエッチな感じは慣れ親しんだ光景です。百練はフランスです。

百練ではそのまま食べてもおいしい白菜のお漬物を豚しゃぶや水炊きなどお鍋に入れていただいています。そして九月は茄子を煮たり焼いたりしてフランスを目指しています。さあもうすぐ秋分です。今夜はピエール・バルーでズブズブと飲みましょう。カマンベール。

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