第74回 ボズ・スキャッグス編
2011年5月12日(木)18:00より
あの頃いったい何だったんだろう。
あれはいつの頃だったのか思い出せないけれど、夜になったばかりの海をバックにエメラルドグリーンとホワイトでペイントされた木製のベンチにサングラスをかけたボズ・スキャッグスがうつむき加減に座っている写真のジャケットがあった。今見ると何だか恥ずかしいけれど当時はその写真から想像する情景や状況が格好いいと思っていた。大ヒット曲の「ウィ・アー・オール・アローン」が入っている「シルク・ディグリーズ」というアルバムだ。オールバックをしたボズ・スキャッグスが網タイツの女性の太ももを枕にしながら煙草の煙を吐き出している写真のジャケットもあったな。「ミドル・マン」という「JOJO」が入ったアルバムだ。その前に「スローダンサー」というアルバムも流行った。あの頃いったい何だったんだろう。アルバムのジャケットを見ているだけで様々なものがたくさん出てきてまたすぐ消える。ジャケットのデザインや写真は何よりも重かった。影響を受けた。決してAOR(アダルト・オリエンテッド・ロック)とかAC(アダルト・コンテンポラリー)とかでひとくくりにして済む話ではあの頃なかった。ボズ・スキャッグスがかかっていたあの時あの頃であるし、そのジャケットから何らかの影響を受けて飲んだ酒も踊った夜もあるというだけのことだが、カテゴライズして片付けて仕舞われてはチョットさびしいと思う人多い。さあ、連休も明けて雨がたくさん降ったけれど今夜はチョット、ボズ・スキャッグス。今夜はウィ・アー・オール・アローンにさせません。そうなるにしても出だしは百練で。カマンベール。