第70回 サム・クック編
2011年4月7日(木)18:00より
アホな男は酒場のドラマチックな曲に弱い。
今夜百練、サム・クックです。ア・チェンジ・イズ・ゴナ・カムです。ユー・センド・ミー。二十歳くらいまでマービン・ゲイは知っててもサム・クックは知らなかった。レコード屋で知ったのでもツレから教えてもらったのでもなくそれは街の店で知りました。その小さなごった煮のような店で夜中にア・チェンジ・イズ・ゴナ・カムがかかっていた。俺はなんだかいつものように「マスターもっと大きしてくれへん」と多分言っていたと思われる。アホな男、こんな調子の曲に弱い。それは昔からの格言です。星一徹は言いました。「大リーグボール2号は水に弱い」そうなんです。それと同じようにアホな男は酒場のドラマチックな曲に弱い。そして塩にも弱い。油にも弱い。生に弱いんです。だいたいがなんでもすぐ泣いてしまう弱い体質なんだと思います。ア・チェンジ・イズ・ゴナ・カム。今夜また百練で聞いて語る祭、サム・クック。早いもので聞いて語る祭も第七十回目です。思えばビートルズから高倉健まで多岐にわたってやってきていますが、まだまだ足らない。足りません。ヘッドフォンなんかで聴かずにざわざわしたとこで聞かなあかんのです。さあ今宵、サム・クック。相手にとって不足はありません。