京都・裏寺 メシと酒「百練」

第136回 再び山口百恵編

それを言うなよと俺は、、

「シャワーのあとの 髪のしずくを 乾いたタオルで ふきとりながら」これは山口百恵が歌ったイミテイション・ゴールドの歌い出しの部分です。

そしてサビが「ア・ア・ア やけた素肌がア・ア・ア イミテイション・ゴールド 若いとおもう 今年のひとよ」です。夏になればギラギラした陽射しの中、車や何かを走らせ海に向かいながらもホテルのプールに憧れていた十代の男にとって歌詞の意味など全く不要でした。シャワーや西陽の強い部屋や夢がちがうやほくろがちがうなどの単語だけで釘付けになり、しまいにはア・ア・ア イミテイション・ゴールドでフラフラになっていました。しかも歌っているのが山口百恵、十代の俺はウーカンカンとココロの中で救急車が走りまわっていました。

そしてそんな男に「もてたいためのロックンローラー あなた動機が不純なんだわ」としばらくして山口百恵が歌った。それを言うなよと俺はジントニックを飲みながらつぶやいたのを今も憶えています。「ロックンロール・ウィドウ いい加減にして男はあなた一人じゃない」そして「かっこばかり先走り」で泣きました。泣かされました。それでも今日の百練聞いて語る祭は再び山口百恵です。「いい日旅立ち」も「横須賀ストーリー」も歌ってくれます。ハッキリ言ってレコードのジャケットを百練に貼らしてもらいます。野口五郎も用意しておきます。カマンベール。

続・百練の聞いて語る祭り

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